03 / GENTEN
宵壺 / YOITSUBO
ヨイツボ
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- 分類
- 原天 / GENTEN
残り世の拾い蛸
壺のような胴体から、蛸に似た幾本もの腕を持つ原天。 材質は石とも土とも焼き物とも古い木ともつかず、判然としない。 胴の上部には地蔵を思わせる頭部があり、木札に墨で「空」とだけ書かれている。 宵壺は、死者の持ち物や、繰り返された行動の痕跡――「残余」と呼ばれるもの――に触れ、それらを動かす。 死者本人が戻ってきたわけではない。 時間が巻き戻っているわけでも、記憶がそのまま再生されているわけでもない。 「作っておらん」「置いてあった」。 宵壺の言葉はいつも短く、素っ気ない。 それが大切なものかどうかも、誰のものかも、宵壺自身は知らないという。 ただ、そこに残っていたものへ、腕を伸ばすだけである。
残っておる。初出章を読む: 第三章 宵壺――残っている家 →